歌舞伎座 四月大歌舞伎昼の部

何やかやと用事があり、今月は行けないかなと思っていたけど、やっと行ってきました。

やっぱり笑也さんが出ているので、昼の部に。

今月はweb松竹を見ても、全部の日に○が付いているくらい(×なのは3階B席ぐらい)席に余裕があったみたいだけど、さすが日曜日、1階はほぼ満席でした。

(日曜日にガラガラだったら問題だろうけど)

「醍醐の花見」

ネットの評判も、見てきた人の話でも「微妙」ということだったけれど、意外にも面白かったですよ。

確かに何だかな〜というところはあったけど、舞踊ものにしては珍しく寝ないで見ることができました。

もっとも昼の部のしょっぱなから客に寝られるようでは出し物としてはあまりに情けないでしょう。

春爛漫の桜の中、中央に北政所ねね(扇雀)上手には淀君(壱太郎)三條殿(尾上右近)下手には松の丸殿(笑也)前田利家正室まつ(笑三郎)その他侍女たちが居並んで花見の最中、秀吉(雁治郎)が家来を引き連れてやってくる。

すぐに宴となり皆一人ずつ踊りを披露したあと、本殿で法要の準備ができたというので一同立ち去る。

なぜか一人残った秀吉の前に秀次の亡霊(松也)が現れる。

石田三成(右團次)が駆け付けて立ち廻りとなる中、門之助扮する高僧が祈り伏せると秀次の亡霊は消え、またもとの賑やかな花見となる‥‥という、これだけのもの。

それでも、結構澤瀉屋の人が出ていて、おもだかを探せ状態で面白かったです(笑)

もう澤瀉屋ではなくなってしまったけれど、久々に舞台の上で右若(喜昇)さんを見たわ〜。

しばらく右近ちゃんの乳母だったからねえ。

どこにいても一目で識別できるあのお顔、そしてやっぱり踊りはきれい。

手が美しいのです。

笑野さんも、猿紫さんも、澤瀉屋のキレイどころが並んだところは、おもだかファンとしてはうれしかったです。

笑也さんは、高貴な人の役なんだからあんな安い小芝居をしなくたっていいのに

博多座でも変な芝居して笑いをとってたけど、やめてほしいですねえ。

きれいなんだから、自分から崩さなくてもいいでしょう。

壱太郎君と張り合ったって、勝てないよ(爆)

う〜ん、6月の「名月〜」は笑也さんにとってすごいチャンスだけど、この悪い癖が出なければいいが‥‥心配

久々に見たら扇雀さんが何か急に年取ったような

雁治郎さんも何、あれ?

あんなに太ってたっけ?

あそこまでデブで恰幅のいい秀吉は初めて見ました

う〜ん、全体的にはやっぱり微妙だったかな(笑)

「伊勢音頭恋寝刃」

長い。

疲れた。

というのも、最初のあれ(追っかけ)は初めて見たけど、いらん。

一応ギャグなんだろうけど、笑えればいいけど、ちっとも笑えない。

隼人君扮する奴はめちゃめちゃ脚が遅くてイライラする(爆)

だんまりも長すぎて飽きた。

油屋の場面になってほっとした、ということは、やっぱりいらない場面だったよね。

そんなのを見させられたから本筋に入ってから寝てしまった

四代目の万野はノリノリかと思いきや、意外にもおとなし目だったような。

ただ、斬られて死ぬところの形がすごくきれいでした。

お紺(梅枝)が愛想尽かしをするところは寝ていてよく見なかったけど、梅枝ってこんなにきれいだった?

しかし、友達さんでファンの方もいらっしゃるのでこんなこと言ったら申しわけないけど、主役の染五郎がいかん。

というか、どこまで華がないのか。

歌舞伎以外の舞台はいいけど、御曹司なのに肝心の古典歌舞伎で華がないのは何とも。

主役に力がないので、物語のシンが抜けている感じ。

立ち廻りはいいけど、あんなにたくさん人を殺して、名刀も折り紙も戻ってめでたしめでたしはないだろうというくらい、物語を納得させる力がないの。

以上‥‥

え〜!このあとにまだ「熊谷陣屋」があるの?

重た〜い、もう帰りたい、と思ったけど、何と全然期待してなかった「熊谷陣屋」が一番よかったのです。

「熊谷陣屋」

いつもは相模と藤の方の二人の母親の嘆きっぷりが私の観劇ポイントだったりするのだけれど、今回は全く、幸四郎オンリーの舞台でした。

幸四郎の熊谷は前にも見たけれど、こんなだった?

第一、顔がすごい。

あんなに赤茶色だったっけ?

そしてかなり泣きの入ったくどい演技。

相模や藤の方など吹っ飛んでしまうぐらい、顔も拵えも超立派。

思わず「高麗屋!」と叫んでしまいそうなほど、とにかくすんごい存在感。

台詞は慣れないとフンガフンガと何を言ってるかわからないような、まるで怪獣みたい。

しかし‥‥それが心の琴線に触れるというか、泣けたんですよ。

いろんな人の熊谷を見たけれど、こんなに泣けたことはありません。

すごい存在感と大きさで一番幅を利かせているようでいながら、いちいち相模や藤の方のほうを見て気を配っているような繊細さ。

そして、何よりかわいいじゃないですか。

最後花道から去るとき、義経が呼び止め、首を高く掲げて見せると、右に左に顔を傾け、未練たらたら離れがたく見続ける熊谷。

くどい、けど、こんな熊谷初めて見ました。

出家するなんて言ってるけど、思いきれてない亡くした息子への思い。

何かとっても泣けました。

泣けると言っても、私は今ドライアイ気味なので、ダダ泣きにはならず、ティッシュ一枚で済んだのは便利というのか何というのか。

でも、久々に古典で泣けた「熊谷陣屋」が今月一番、すごくよかったです。