『MEATBALL MACHINE ミートボールマシン』…オチは蛇足

MEATBALL MACHINE ミートボールマシン 』(90分 ☆☆☆★3.25)

内気な工員ヨウジ(高橋一生)は、隣の工場で働くサチコ(河井青葉)に想いを寄せていたが、告白などできる筈もなく、遠くから彼女を眺めているだけだった。ヨウジはある夜、盛り場のゴミの中から機械とも生物とも判別できない謎の物体を見つけ、好奇心から自室に持ち帰ってしまう。

そんな頃、ヨウジは夜の街で男に言い寄られているサチコを見かけ、ケガを負いながらもその窮地を救う。サチコの助けで自室に帰りついたヨウジは、サチコもまたヨウジを想っていたと告白される。

その時、件の物体が活動を始めサチコに襲いかかった。サチコはその物体と融合、グロテスクな外見のネクロボーグと化してしまう。

1999年に自主映画として製作された「ミートボールマシン オリジン」を、監督の山本淳一がセルフリメイクしたスプラッターホラー映画。商業映画では実績のない山本淳一監督をバックアップするためか、共同監督として『極道兵器』や『珍遊記』の山口雄大監督がクレジットされている。

本作についてはもうB級映画の中のB級映画という感じ。評者もB級映画はかなり見込んできたという自負があるが、それでも本作は知らなかったという‥いやはやB級映画と言えど奥が深い(笑)

内容は謎の物体に寄生され、ネクロボーグという機械生命体と化してしまった人間が、仲間同士で殺し合いをするというもの。その目的は共食い。

本作を見ていて思い出されるのは、やはり塚本晋也監督の『鉄男』かな。本作はその『鉄男』から不条理さや観念的な要素を取り払い、チープなスプラッター描写が全編に渡って繰り広げられるのみという、ある意味潔い作品である。

ただし、だからと言って本作が箸にも棒にもかからない駄作である、と言うつもりはない。社会の底辺でもがく一組のカップルが、互いに殺し合うことになる悲恋を描いているのはちょっと好きかも。この二人に高橋一生、河井青葉というなかなか良い俳優さんを起用しているのもポイント。河井青葉が生命体に寄生される場面のエロスもヨロス。ネクロボーグ・ハンターみたいな役どころを怪演する手塚とおるも想定通り(笑)

本作の見どころであるネクロボーグだが、クリーチャー・デザインを雨宮慶太、造形を西村喜廣が手がけ、こちらも想定通りの仕上がり。低予算にしては頑張ってる部類だが、デザインはまだしも造形としては残念感は拭えず。実はこの西村喜廣のメガホンによる続編『蟲毒 ミートボールマシン』の公開が決まった。ぜひともリベンジを期待したいところだ。

出演:高橋一生、河井青葉、山本彩乃増本庄一郎手塚とおる、川崎賢一、諏訪太朗

脚本:加藤淳

監督:山口雄大、山本淳一

2006/9/23公開 配給:バイオタイド