人生を引き受ける

過日、離婚を思いとどまる理由の

一つとして、子どものためというのが

あると書きました。

本気で生きる

子どものいないわたしが、

子どもがいる人の離婚について

語るのはいかがなものかと

思う気持ちもありますが、

勇気を出して書いてみたいと思います。

これは実際にわたしの身近で起きた

本当の出来事です。

わたしが離婚を決めるより数年前に、

そのころ親しくしていた友人が、

幼子二人を連れて家を出る

ということがありました。

彼女の決意を聞いて、

その頃はまだ離婚の二文字が

頭の中になかったわたしですが、

自分にできることは何でもして、

彼女の決意を応援しようと思いました。

けれど結局、彼女は離婚はせずに

家に戻ることにしました。

子どものため

というのが、そのとき彼女が言った、

元の鞘に収まる理由でした。

離婚を決める理由も、

思いとどまる理由も、

人それぞれ。

そのことに何も言うつもりはありません。

いつだって、その人の人生の主役は、

その人自身です。

けれど、彼女が続けて言った言葉に、

わたしは愕然としました。

あとは、向こう夫が早く死ぬのを

待つだけだ

この言葉は、後わたしが離婚を

決めるときにも大きな意味を

持った言葉です。

連載プロフィール25離婚の話

数年前、彼女も含め

親しくしていたメンバーで集まる機会が

ありました。

その時に彼女本人から聞いた話です。

現在、彼女のご主人は心を病んで、

数種類の薬をビールで流し飲む生活だとか。

夫婦の間に会話はなく、今回のように彼女が

家を空けるときも冷蔵庫に伝言メモを

貼ってくるだけだそうです。

これが、かつて彼女の望んだ

生活人生でしょうか。

確かに、向こう夫は死にました。

ただ死んだのは体ではなく、心の方でした。

子どもがいれば離婚を躊躇するのは、

母親として当然の気持ちでしょう。

子どものために離婚を思いとどまる

という選択も、もちろんあるでしょう。

けれど、彼女は

子どものためと言いながら、

彼らの父親である夫の死を望んだのです。

先ほども書きましたように、

いつだってその人の人生の主役は、

その人自身です。

だから一番大切なのは、

自分がどうしたいかです。

自分が笑顔で過ごすためには、

どういう状態が最も望ましいのか。

そして、それでもし離婚を決めたのなら、

子どもに対しても堂と胸を張って、

そういう選択をした自分の生きざまを

見せればいいのではないでしょうか。

それしかありません。

自分の人生に責任を持つとは、

そういうことではないでしょうか。

自分の人生に起きたこと、起こしたことを、

引き受けて生きていく。

人生って、きっとそういうものなんだと思います。